前回投稿した、工事代金の支払い(最終支払い)について…具体的なポイントを説明します
目次
工事代金の支払い…契約時の条件が重要ポイント
契約は工事の前で、支払いは工事の後なのに…どうして契約時が重要なの❓と思われた方も多いと思います
支払いに限らず、「住まいづくり」・「住まいのルフォーム」で最も重要で大切なのが「契約」です
契約時の条件に必ず記載したい支払い条件と方法
一般的な契約(契約書)では、その支払いについて、決済方法というかたちで金額や支払いの時期を記載するようになっています
例えば……
契約時 1/4 着工時 1/4 上棟時 1/4 完成引渡し時 1/4 等の記載が一般的です。しかし、これだけでは不十分です、特に完成引渡し時の支払いについては、詳しい条件を確認・記載しないと、クライアント様にとって不利になるケースが少なくありません。支払いについては少なくとも、以下の項目について、確認し契約書に明示するようにして下さい。契約前であれば拒否する建設会社は少ないと思います
着工時の支払い清算書の提出と確認
契約から着工までに、設計仕様の打合せがなされます。その時に追加・変更がでて、金額が増減することがあります。それには「住まい」本体の金額だけではなく、その付帯工事や諸経費と云った項目も含まれます。悪意のある建設業者は、契約時の金額を安く提示して、この仕様の打合せでオプションを連発してくる会社もあります。ここでちゃんと金額を提示して、資金計画を見直す等の対応がされれば、まだ良いのですが……金額が増えたことを明示せずに、着工をして、最終清算で高額な金額を提示してくるケースもあります。これはトラブルの元凶です
その対策として、着工前に契約時からの金額の増減を清算書として提出していただくようにします。それを確認してから着工するようにしましょう
追加変更工事について、その都度の見積書の提出
着工後の工事途中にでも、工事内容の変更が行われる場合もあります。どんなに設計仕様打合せで、しっかり打合せをしてもです(^-^; この場合も、最後にまとめて金額を提示する建設会社が多いのが現実です。必ず、変更工事があった時は見積書の提出をしていただくようにします。それを確認して、工事の変更を依頼するようにしましょう
追加変更工事についての発注のルール
工事途中の変更工事について、見積書を提出いただきましょうと前項で記しました。その変更工事についての発注のルールも決めておくようにします。発注書を作成するとか、打合せ議事録に残すとか…その内容と金額がわかるような方法でルールを決めましょう。見積書がある訳ですから、判断も容易ですね。しかし、現場での変更は、その場で判断しないと、工期に間に合わなかったり、価格が高額になってしまうケースもあります。そんな場合もSNS(ライン)等で、記録、文章に残る方法を取り決めておくとよいでしょう
立会完了検査の実施
意外と行われていないのが、この立会完了検査です。建築確認申請の完了検査や、瑕疵担保責任保険の第三者検査は必ず行われていますが、クライント様の立会完了検査は行っていないケースもよくみかけます。これもトラブルが発生する大きな原因となるにですが……※中には建築確認申請の完了検査をしていない場合もあります
立会完了検査の実施を契約書の明示していただくようにします。この立会完了検査では設計仕様通りに工事がされているかの確認と同時に、瑕や施工不良ヶ所もしっかり確認しましょう。30分程度でお茶を濁すような検査ではなく、少なくとも半日(2時間から3時間)じっくり見て回るようにして下さい
建設会社によっては、これが当たりで、契約書のへの明示を依頼すると、当社はこのように立会完了検査を実施しますと、説明をされる会社もあります。反対に「どのように検査をするんですか?」などと聞いてくる建設会社さんとは契約をしないのが賢明です
立会完了検査時の工事リストの提出
立会完了検査で指摘された内容(残工事・補修工事・やり直し工事等)は書面(残工事リスト)で提出していただくようにします。立会完了検査を実施しても、その検査内容が曖昧になるようでは駄目です。書面(残工事リスト)で、何時迄に&どのように工事を行うかを確認しましょう
立会完了検査からお引渡しまではそんなに時間がありません、完了検査から14日(2週間)以内というのが一般的な契約の内容です。この場合の完了検査は建築確認申請の完了検査を指しますが、立会完了検査もほとんど同じ時期に実施されることになります。2週間はけして長くありません、残工事リストに記載された工事がお引渡しに間に合わない場合もあります、しかし、それが何時迄に行われるかクライアント様と建設会社とで共通認識があれば、問題はありません。この残工事リストは非常に重要です
立会検査完了時の清算書の提出
立会検査時に最終の清算書を提出いただくいようにします。最終の清算書はお引渡しの場で出てくるケースが多いようです。それではクライアント様はゆっくり確認はできません。引渡しの場で、建設会社の言うがままに支払いを行ってしまうケースが少なくありません。立会完了検査時では、諸経費など細かな部分が、それまでに確定しないケースもありますが、工事代金はほぼ確定できています。この時点で清算書を受取り、引渡し時の支払いまでに内容を確認して、納得してお支払いをするようにする安心です
リストの工事完了後の最終支払い
そして最後のポイントは…最後の支払いは立合完了検査時の残工事リストに記載された工事を全て完了してからにすることです。引渡し時に残工事リストに記載された工事が全て完了している時は、引渡し時に全額を支払えばよいのでが、残工事リストに記載された工事の全部、又は一が完了していない時の対応を確認(協議)して、契約書に明示しておくことが重要です。契約時に取り決めした最後の引渡し金額の全ての支払いを保留すると云う意味ではありません、例えば…「引渡し後の残工事、補修工事等がある場合には、最終の支払額の10%程度を保留し、全ての工事が完了した時に支払いを行う」といったような内容です
このように契約時から、引渡し時の清算や工事途中の追加変更工事(増減工工事)を想定して、その対応策を契約書に明示しておくことは非常に重要です
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