久しぶりに雑誌「建築知識」の話をさせていただきます
目次
建築知識 2020.6月号
特集は かわいい動物に学ぶ「建築くらべる図鑑」です
このところかわいい路線をに舵をきっています
以前は硬派の代表選手みたいに硬い雑誌だったのですね、ここ数年いわゆるかわいい路線に舵をきっています。今回も動物の大きさと比較して建築のもろもろを説明しています、面白い企画なので何回かに分けてお話してみます
尺貫法 体になじむ直感的な長さ
日本の建築寸法の基準は尺貫法です。尺はもともと約180㎜でした、これが中国の隋の時代に約300㎜となり日本に伝わったとされています
尺貫法の基本は……
1尺 = 303.03㎜ = 10寸
1間 = 1,818.18㎜ = 6尺
1丈 = 3,030.30㎜ = 10尺
1町 = 109,090.8㎜ = 109.09m = 60間
1里 = 3,927,268.8㎜ = 3.927km =36町
鴨長明の『方丈記』が記されたのは、京都郊外の1辺が1丈(約3m)の小さな庵とされています
建築図面の寸法は㎜表記です
「住まいづくり」も含めて建築の図面の寸法は全て㎜表記です。建材やいろいろな材料(木材、サッシ、畳、キッチン、ユニットバス等…)が殆ど尺貫法をベースに作られていますが、図面は㎜単位の表記です。最近は「住まい」でもメーターモジュールが増えていますが、建材や材料は尺貫法ベースで作られています。なんとも不思議な世界ですが、業界にいると違和感はありません
高さ(長さ)の比較
「住まい」も段差とナナホシテントウ虫 5㎜
「長寿社会対応住宅設計指針」では「住まい」の床は段差がないものとされています。その中で5㎜以下の段差は「段差なし」とみなされます。ナナホシテントウ虫の全長がだいたい5㎜です感覚はわかりますね
履物の厚さ 10㎜ 20㎜~30㎜
動物ではありませんが、履物の厚さの考慮も「住まい」には必要です。スリッパが10㎜、革靴やスニーカーは20㎜~30㎜です。土足の居室はこの高さを考慮する必要があります
車椅子が通過できる段差 20㎜
車椅子のキャスター(前輪)が乗り越えられる段差は20㎜とされています。これは健常者が段差と認識できる最小の寸法でもあり、これより低い段差は気づかずにつまづき転倒するおそれがあります
車椅子の脱輪防止、階段の側桁に必要な高さ 50㎜
車椅子の傾斜路の側面を50㎜立上げを設けると脱輪を防げます、階段の側桁(ササラの立上げ)も50㎜程度が良いとされています
鉄筋の保管高さ 100㎜
建設現場で鉄筋を保管する時には地面から100㎜以上離すことが理想とされています、ごみの付着等を防ぐためです。仮設足場の立上げ(資材や工具の落下防止)も100㎜の巾木を設けることが必要です。建物や「住まい」に直接影響する寸法ではありませんが、知っておくと便利です
オニヤンマの体長が95㎜から100㎜です
明日は100㎜から500㎜の比較をお話します
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